別荘とセカンドハウスの税務上の違いとは?

(令和8年10月更新)

別荘とセカンドハウスの違い

別荘とセカンドハウスはどちらも同じような感じに思えますが、税務上は明らかに異なります。皆さんおわかりでしょうか?

別荘とは、日常生活に利用しない家屋のうち、避暑、避寒等専ら保養のために利用する家屋をいいます。
一方、セカンドハウスとは、特定の人が年間を通じ継続して毎月1泊2日以上居住する家屋をいいます(長野県の基準です)。

つまり、東京に住みながら、例えば軽井沢に家を建てた場合、毎月1泊2日以上していることが証明できれば、その建物は税務上別荘ではなく、セカンドハウスということになります。なお、この基準は全国一律ではなく、都道府県によって異なります(例えば山梨県では「毎月1日以上」としています)。詳細は、取得した不動産のある都道府県の県税事務所にご確認ください。

別荘かセカンドハウスかによって大きく影響するのは不動産取得税と固定資産税です。セカンドハウスであれば税務上有利な取り扱いを受けることができます。

セカンドハウスにおける不動産取得税の取扱い

不動産取得税とは、土地や家屋の購入、家屋の建築などで不動産を取得したときに、その取得した者に対して課税される税金です。
ただし、相続や、離婚に伴う財産分与等により取得した場合には不動産取得税は課税されません。

不動産取得税は不動産を取得したときに一度だけ課税される地方税で、その課税主体は都道府県です。

建物に対する税率

別荘は「住宅」に該当しませんので、建物の固定資産税評価額に4%を乗じた金額が不動産取得税として課税されます。

《計算式》固定資産税評価額×4%=建物不動産取得税(原則)

一方、セカンドハウスは「住宅」に該当しますので、建物の固定資産税評価額に3%を乗じた金額が不動産取得税として課税されます。つまり、セカンドハウスとして認定された場合には、別荘よりも1%軽減されます。
*住宅の税率3%は、新築・中古を問わず適用されます。本来は4%ですが、令和9年3月31日までに取得した土地・住宅については3%とする特例があります。この税率の適用と、次の「住宅の評価額からの控除」を受けるための床面積要件は、別のものです。

住宅の評価額からの控除

さらに、新築のセカンドハウスが次の床面積要件を満たす場合には、固定資産税評価額から1,200万円(認定長期優良住宅の場合には1,300万円)を控除することができます。

【床面積要件(取得時期で判定します)】
・令和8年3月31日以前の取得:50㎡以上240㎡以下
・令和8年4月1日以後の取得:40㎡以上240㎡以下

《計算式》(固定資産税評価額-※1,200万円)×3%=建物不動産取得税(特例)[評価額が控除額以下の場合は税額0円]

もし、中古のセカンドハウスを取得した場合には、上記の床面積要件に加えて、次の要件を満たすときに、固定資産税評価額から次の表の金額を控除できます。控除額は、その取得した家屋が新築された日に応じ、それぞれの金額となります。
①取得した本人が居住すること
②昭和57年1月1日以後に新築された家屋であること(それ以前の新築でも、取得前2年以内に耐震基準適合の証明のための調査等が行われた家屋は対象となります)

家屋が新築された日 ※控除額
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
平成9年4月1日~ 1,200万円

*昭和56年12月31日以前に新築された家屋は、耐震基準に適合していることの証明が必要です。昭和56年6月以前に新築された家屋にも控除額が定められています。また、耐震基準に適合しない住宅を取得後に耐震改修する場合は、別の要件(取得後6か月以内の証明書の提出など)があります。

セカンドハウスとして認定されるための証明方法

セカンドハウスとして認定されるには、長野県では毎月1泊2日以上利用していることが必要です(山梨県は毎月1日以上)。これを証明するには次のいずれかの方法によります。

①公共交通機関の領収書、高速道路の領収書、ETCの利用明細書による証明

②セカンドハウスの最寄りのスーパー等での買い物のレシートによる証明(滞在期間中の2日間以上のレシートが必要です)

この他、電気やガス、水道等の公共料金の領収書により証明することができます(使用量が0でないこと、また基本料金の支払いだけではないことが確認されます)
なお、セカンドハウスの認定の証明方法については、課税する
自治体によって多少取扱いが異なる可能性がありますので、詳細については、取得した不動産のある都道府県の県税事務所(東京都は都税事務所)にご確認ください。

土地に対する軽減措置

別荘の敷地の場合には、土地の固定資産税評価額の1/2(宅地・宅地比準土地を令和9年3月31日までに取得した場合)に*3%を乗じた金額が不動産取得税として課税されます。この1/2の特例は、別荘の敷地にも適用されます。

《計算式》固定資産税評価額×1/2×3%=土地不動産取得税(原則)
*土地の税率は本来4%で、令和9年3月31日までに取得した土地については3%です。令和9年3月31日までに取得した宅地・宅地比準土地以外の土地は、固定資産税評価額がそのまま課税標準となります。

一方、セカンドハウスの敷地で住宅用土地の減額が適用される場合には、原則で計算した金額から、次の計算式で計算した金額のうち、A、Bいずれか大きい金額を減額した金額が不動産取得税となります(最低0円)。

《計算式》固定資産税評価額×1/2×3%-減額される金額(次のA、Bいずれか大きい金額)=土地不動産取得税(特例)[最低0円]

A 45,000円(150万円×3%)
B 土地1㎡の価格(固定資産税評価額×1/2÷土地面積)×住宅の床面積の2倍(200㎡上限)×3%

*住宅と土地の取得時期(新築か中古かで異なります)や、住宅の床面積要件(令和8年3月31日以前の取得は50㎡以上240㎡以下、4月1日以後は40㎡以上240㎡以下)など、土地の減額固有の要件があります。

セカンドハウスにおける固定資産税の取扱い

固定資産税とは、土地や家屋等を保有しているときに、その所有者に対して課税される税金です。
固定資産税は、毎年1月1日現在、土地、家屋等の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人に対し、毎年課税される地方税で、その課税主体は市町村となります。

新築の居住用住宅に対する軽減措置

別荘の場合には、建物の課税標準額(原則として固定資産税評価額)に、標準税率1.4%を乗じた金額が固定資産税として毎年課税されます。
なお、固定資産税評価額は3年に1度、評価替えを行い価格を決定します。この評価替えの年度を基準年度といい、直近では令和6年度がこの基準年度にあたり、次回は令和9年度です。

《計算式》課税標準額(原則として固定資産税評価額)×1.4%(標準税率)=建物固定資産税(原則)

一方、令和13年3月31日までに住宅(別荘以外のセカンドハウスを含みます)を新築し、次の要件を満たしている家屋の場合には、新築後3年度分、固定資産税が軽減されます(3階建以上の耐火・準耐火構造の住宅は5年度分。認定長期優良住宅の場合は、それぞれ5年度分・7年度分です)。
【要件】
①居住の用に供するための家屋(専用住宅・併用住宅)であること(
併用住宅は居住部分の割合が2分の1以上)
②居住部分の床面積が、令和8年4月1日以後に新築された住宅は40㎡以上240㎡以下であること(令和8年3月31日以前に新築された住宅は50㎡以上280㎡以下)

《軽減額》
・居住部分の床面積が120㎡以下の場合は、その居住部分に係る固定資産税額の2分の1を減額
・居住部分の床面積が120㎡を超える場合は、120㎡に相当する部分の固定資産税額の2分の1を減額

住宅用地に対する課税標準の特例

別荘の敷地には住宅用地の特例は適用されません。固定資産税は、負担調整措置等を反映した課税標準額に、税率を乗じて計算し、毎年課税されます。
《計算式》課税標準額×税率(標準税率1.4%)=土地固定資産税(原則)

一方、セカンドハウスを含めた専ら居住の用に供する家屋、またはその一部を居住の用に供する家屋の敷地となっている住宅用地は、一定の要件の下で、税額計算に用いる課税標準額が固定資産税評価額の1/3に軽減されます。住宅用地の特例は、評価額そのものを下げる制度ではなく、課税標準額を軽減する制度です。
さらに、住宅用地のうち200㎡以下の部分の土地は、小規模住宅用地として課税標準額が固定資産税評価額の1/6に軽減されます。住宅用地として扱う面積は、原則として家屋の延床面積の10倍までです。

これらを一覧表にすると、セカンドハウスの固定資産税の土地の軽減措置は次のようになります。

家屋の種類 課税標準額
専ら居住の用に供する家屋 住宅用地の全部について、評価額×1/3(200㎡以下の部分は×1/6)
居住割合25%以上50%未満 敷地の1/2について、評価額×1/3(200㎡以下の部分は×1/6)
居住割合50%以上 住宅用地の全部について、評価額×1/3(200㎡以下の部分は×1/6)

*一般の戸建て・低層の併用住宅を想定した表です。地上5階以上の耐火建築物の併用住宅は、居住割合に応じた別の割合が適用されます。

《注意事項》
固定資産税の新築住宅の減額や住宅用地の特例は、申告や実際の利用状況の確認に基づいて適用される制度です。申告方法や必要書類は、セカンドハウスのある市町村の固定資産税の担当課にご確認ください。申告が遅れた場合の適用年度や、過年度分の修正・還付の可否は、当時の利用実態、証明資料、制度ごとの要件等によって異なります。上記の要件を満たしていると思われる方は、早めにご確認ください。

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