不動産を取得・保有したときの税務~不動産取得税・登録免許税・固定資産税(家事用と貸付用、法人の場合)

固定資産

はじめに

不動産を取得すると「不動産取得税」と「登録免許税」が、保有している間は毎年「固定資産税(市街化区域では都市計画税も)」がかかります。これらの税金には住宅に関する軽減措置がありますが、自分が住むための住宅(家事用)だけが対象のものと、貸家などの貸付用や法人も対象になるものが混在しています。

また、支払った税金の所得税・法人税上の扱いも、家事用・貸付用・法人で異なります。この記事では、3つの税金の仕組みと、用途・取得者による違いを根拠法令とともに整理します。

税目 種類 課税する人 かかる時期
不動産取得税 地方税(都道府県税) 都道府県 取得時(1回)
登録免許税 国税 国(法務局での登記時に納付) 登記時
固定資産税・都市計画税 地方税(市町村税、東京23区は都税) 市町村 毎年1月1日の所有者に毎年

【注意】住宅の軽減措置の適用期限は、制度ごとに異なります。取得・新築・登記のいずれの時点が期限の判定対象になるかも含め、契約前に確認してください。

1. 不動産取得税

不動産取得税は、売買・新築・贈与などで土地や家屋を取得したときに、登記の有無にかかわらず一度だけ課される都道府県税です(相続による取得は非課税)。取得後しばらくして都道府県から納税通知書が届きます。

(1) 計算方法と税率

不動産取得税 = 課税標準(固定資産税評価額)× 税率

区分 税率 課税標準の特例
土地 3%(本則4%) 宅地評価土地は評価額×1/2
家屋(住宅) 3%(本則4%) ―
家屋(住宅以外:事務所・店舗等) 4% ―

税率3%と宅地の1/2特例は、令和9年3月31日までの取得が対象です。この税率・特例は、家事用・貸付用・法人を問わず共通です。

免税点:課税標準となるべき額が次の金額未満の場合は、不動産取得税は課されません(住宅の控除などを受ける場合は、控除後の額で判定します)。

区分 令和8年3月31日以前の取得 令和8年4月1日以後の取得
土地 10万円 16万円
家屋(新築・増築・改築による取得) 23万円 66万円
家屋(売買・贈与など建築以外の取得) 12万円 34万円

(2) 住宅・住宅用土地の軽減(家事用と貸付用の違い)

軽減の内容 家事用(自己居住) 貸付用(貸家) 法人
新築住宅:評価額から1,200万円控除(認定長期優良住宅は1,300万円) ◯ ◯(共同住宅は独立した区画ごと) ◯
中古住宅:新築時期に応じて評価額から一定額を控除 ◯ ✕ ✕
新築住宅の敷地:税額から一定額を減額 ◯ ◯ ◯
中古住宅の敷地:税額から一定額を減額 ◯ ✕ ✕

大きな違いは中古住宅です。中古住宅とその敷地の軽減は、個人が自己の居住用に取得した場合に限られ、中古の貸家や法人が取得した中古住宅には適用されません。新築住宅は、貸家や法人も対象です。

中古住宅の主な要件と控除額

  • 床面積が、令和8年4月1日以後の取得は40㎡以上240㎡以下(令和8年3月31日以前の取得は50㎡以上240㎡以下)で、昭和57年1月1日以後の新築または新耐震基準に適合していること。
  • 控除額は新築時期により異なり、平成9年4月1日以後の新築なら1,200万円、平成元年4月1日~平成9年3月31日なら1,000万円などです。

住宅用土地の減額額:次のいずれか多い金額を税額から差し引きます。

  • 45,000円
  • 土地1㎡当たりの価格(宅地は1/2後)× 住宅の床面積の2倍(200㎡まで)× 3%

【注意】住宅の控除の床面積要件は、令和8年4月1日以後の取得から、新築住宅・中古住宅とも原則「40㎡以上240㎡以下」とされています(令和8年3月31日以前の取得は原則50㎡以上240㎡以下。ただし、新築の一戸建て以外の貸家は40㎡以上240㎡以下)。なお、新築住宅には、東京23区内の特定都市再生緊急整備地域などの例外があります。軽減は申告が必要な場合があるため、都道府県の税事務所に確認しましょう。

根拠:地方税法73条の2(課税客体)、73条の7(相続等の非課税)、73条の13(課税標準)、73条の14第1項(新築住宅)・第3項(中古住宅)、73条の15(税率)、73条の15の2(免税点)、73条の24(住宅用土地の減額)、地方税法附則11条の2(税率の特例)、11条の5(宅地評価土地の特例)、地方税法施行令37条の16(新築住宅の床面積要件)、37条の18(既存住宅の床面積要件)、東京都主税局「不動産取得税(よくある質問)」「不動産取得税の軽減制度」

2. 登録免許税

登録免許税は、取得した不動産の所有権の移転・保存や、住宅ローンの抵当権設定の登記をするときにかかる国税です。土地の売買の軽減は用途を問いませんが、建物の軽減は個人が自己の居住用に取得した住宅用家屋に限られます。

登録免許税 = 課税標準(固定資産税評価額、抵当権は債権額)× 税率

新築建物など、固定資産課税台帳に登録された価格がない場合は、登記官が認定した価額を用います。

登記の種類 本則税率 家事用(自己居住用の住宅用家屋) 貸付用・法人
土地の売買による所有権移転 2.0% 1.5% 1.5%
建物の所有権保存(新築) 0.4% 0.15% 0.4%
建物の売買による所有権移転 2.0% 0.3% 2.0%
抵当権の設定 0.4% 0.1%(住宅取得資金の借入れ) 0.4%
  • 土地の売買の1.5%は、令和8年度改正で令和11年3月31日まで延長されました。
  • 住宅用家屋の軽減(0.15%・0.3%・0.1%)は、令和9年3月31日までに住宅用家屋を新築・取得し、自己の居住用とするなどの要件を満たした場合に、新築・取得後1年以内に受ける登記が対象です。新築・取得の期限と、登記までの期間は区別して確認してください。認定長期優良住宅などは、さらに低い税率があります。

住宅用家屋の軽減の主な要件

  1. 個人が新築・取得し、自己の居住の用に供すること。
  2. 床面積が50㎡以上であること。
  3. 新築・取得後1年以内に登記すること。
  4. 中古は、昭和57年1月1日以後の建築等、新耐震基準に適合していること。
  5. 登記申請の際に、市区町村長の「住宅用家屋証明書」を添付すること。

【注意】住宅用家屋証明書は、登記後に提出しても軽減税率は適用されません。また、貸家として取得する建物や法人が取得する建物には住宅用家屋の軽減がなく、売買なら本則の2.0%です。

根拠:登録免許税法9条、10条、別表第一、租税特別措置法72条(土地の売買)、72条の2(住宅用家屋の保存)、73条(住宅用家屋の移転)、74条、同条の2、同条の3、75条(抵当権設定)、国税庁タックスアンサーNo.7191 登録免許税の税額表、国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」

3. 固定資産税・都市計画税

固定資産税は、毎年1月1日に土地・家屋を所有している人に課される市町村税です。市街化区域内の不動産には、あわせて都市計画税がかかります。固定資産税の住宅に関する軽減は、家事用だけでなく、貸家や法人が所有する住宅も対象です。

(1) 税率

税目 税率 免税点
固定資産税 1.4%(標準税率) 課税標準が土地30万円、家屋20万円(令和9年度以後は30万円)未満
都市計画税 最大0.3%(市町村が条例で定める) 固定資産税と同じ

※免税点は、同一市町村内で同一の所有者が所有する土地・家屋それぞれの課税標準額の合計で判定します。家屋の免税点は令和8年度まで20万円、令和9年度以後は30万円です。土地の30万円は変更ありません。

(2) 住宅用地の特例(課税標準の軽減)

住宅の敷地には、評価額に次の特例率を乗じて、課税標準額を軽減する措置があります。貸家・貸しアパートの敷地も、住宅用地として対象になります。

区分 固定資産税の本則課税標準額 都市計画税の本則課税標準額
小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分) 評価額×1/6 評価額×1/3
一般住宅用地(200㎡を超える部分、家屋の床面積の10倍まで) 評価額×1/3 評価額×2/3

アパートなどの共同住宅は、戸数×200㎡までが小規模住宅用地になります。一方、事務所や店舗の敷地、駐車場、更地にはこの特例はありません。

(3) 新築住宅の減額

新築住宅は、一定期間、居住部分の固定資産税額(1戸当たり120㎡相当分まで)が1/2に減額されます。都市計画税にはこの減額はありません。

区分 減額期間
一般の住宅(木造の一戸建てなど) 新築後3年度分
3階建以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど) 新築後5年度分

令和8年度改正で、この減額は令和13年3月31日までに新築された住宅まで延長されました。令和8年4月1日以後に新築された住宅の床面積要件は、原則として40㎡以上240㎡以下です(改正前は原則50㎡以上280㎡以下。一戸建て以外の貸家は40㎡以上280㎡以下)。この床面積要件は減額の対象になる住宅の範囲を決めるもので、減額されるのは、上記のとおり1戸当たり120㎡相当分までの税額です。

また、現行制度では、一定の区域内で市町村長の勧告に従わずに新築した住宅などは減額の対象外です。令和11年4月1日以後に新築される住宅については、災害レッドゾーン等に所在する場合の、固定資産税の減額措置を受けられない要件が見直されます。

【注意】住宅を取り壊して更地にすると、翌年度から住宅用地の特例がなくなり、土地の固定資産税が大きく上がることがあります。また、空家等対策特別措置法に基づく勧告を受けた空家の敷地も、特例の対象外となります。

根拠:地方税法342条、343条、349条の3の2(住宅用地の特例)、350条(税率)、351条(免税点)、702条の3(都市計画税の住宅用地の特例)、702条の4(都市計画税の税率)、地方税法附則15条の6(新築住宅の減額)、東京都主税局「不動産と税金(固定資産税・都市計画税)」、国土交通省「令和8年度税制改正概要」

4. 所得税上の取扱い(家事用と貸付用)

個人が支払ったこれらの税金は、貸付用なら不動産所得の必要経費になります。一方、家事用は必要経費にはならず、不動産取得税と登録免許税は将来売却したときの譲渡所得の取得費に含めます。

税目 家事用(自宅) 貸付用(不動産所得)
不動産取得税 必要経費にならず、譲渡時の取得費に含める 納付すべきことが具体的に確定した年(原則として賦課決定のあった年)の必要経費
登録免許税(司法書士報酬など登記費用を含む) 必要経費にならず、譲渡時の取得費に含める 登記の際に納付した年の必要経費
固定資産税・都市計画税 必要経費にも取得費にもならない 各年の必要経費(原則として賦課決定のあった年。各納期の開始日や実際の納付日の属する年とすることも可)
購入時に売主と精算した固定資産税相当額 取得価額(取得費)に含める 取得価額に含める(建物分は減価償却)

自宅の一部を貸している場合や、店舗付き住宅のような併用住宅は、床面積など合理的な基準で貸付部分と家事部分に按分します。

不動産取得税は、取得後に都道府県が賦課決定し、納税通知書が送付される税金です。そのため、原則として、賦課決定などにより納付すべきことが具体的に確定した年の必要経費になり、取得した年と異なることがあります。一方、登録免許税は登記の際に納付するため、計上時期が同じとは限りません(所得税基本通達37-6)。

【注意】貸しアパートを購入したときに売主へ支払う固定資産税の精算金は、自分の納税義務に基づく支払いではないため、購入した年の必要経費にはできません。土地と建物に按分して取得価額に含め、建物分は減価償却を通じて経費になります。

根拠:所得税法37条(必要経費)、38条(譲渡所得の取得費)、49条、所得税法施行令126条、所得税基本通達37-5、37-6、38-9、49-3、国税庁タックスアンサーNo.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合、No.3252 取得費となるもの、国税庁質疑応答事例「賃貸用アパートを購入した際に支払った固定資産税及び都市計画税相当額の清算金の取扱いについて」

5. 法人で取得・保有した場合

法人が不動産を取得すると、個人の自己居住用を前提とする軽減は受けられません。一方、支払った税金は、原則として損金に算入できます。

(1) 軽減措置の適用の可否

軽減措置 個人(家事用) 個人(貸付用) 法人
不動産取得税:税率3%、宅地の課税標準1/2 ◯ ◯ ◯
不動産取得税:新築住宅の控除・その敷地の減額 ◯ ◯ ◯
不動産取得税:中古住宅の控除・その敷地の減額 ◯ ✕ ✕
登録免許税:土地の売買(1.5%) ◯ ◯ ◯
登録免許税:住宅用家屋の軽減 ◯ ✕ ✕
固定資産税:住宅用地の特例 ◯ ◯ ◯
固定資産税:新築住宅の減額 ◯ ◯ ◯

社宅として役員や従業員が住む住宅であっても、取得者が法人である以上、「個人の自己居住用」の軽減は適用されません。

(2) 法人税上の取扱い

税目 法人税上の取扱い
不動産取得税・登録免許税(登記費用を含む) 固定資産の取得価額に含めないことができ、その場合は損金に算入(計上時期は下記【注意】参照)
固定資産税・都市計画税 損金に算入(原則として賦課決定のあった事業年度。納期開始日や実際の納付の事業年度とすることも可)
購入時に売主と精算した固定資産税相当額 取得価額に含める

【注意】不動産取得税・登録免許税を取得価額に含めるかどうかは法人が選択できます。取得価額に算入しない場合、不動産取得税は原則として賦課決定のあった事業年度の損金となります。納期開始日または実際の納付日の属する事業年度に損金経理する取扱いも認められます(法人税基本通達9-5-1)。不動産取得税は取得から数か月後に納税通知が届くため、取得した事業年度と損金になる事業年度が異なることがあります。登録免許税と不動産取得税を、同じ計上時期と決めつけないようにしましょう。

根拠:法人税法22条第3項、法人税法施行令54条、法人税基本通達7-3-3の2(取得価額に算入しないことができる費用)、9-5-1(租税公課の損金算入の時期)、国税庁タックスアンサーNo.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

6. 計算例:同じ中古マンションを取得した場合

同じ中古マンションでも、自宅として個人が取得する場合と、貸付用や法人で取得する場合では、取得時の税金に約70万円の差が生じます。

(1) 前提

項目 前提
物件 平成22年築の中古マンション(床面積70㎡、敷地権の持分面積20㎡)
固定資産税評価額 建物1,000万円、土地(宅地)1,500万円(土地は、購入する敷地権の持分に対応する評価額)
取得時期 令和8年11月(売買)。買主に所有者として固定資産税が課されるのは、原則として令和9年度から(購入時の売主への精算金は別扱い)
その他 耐震基準など、家事用の軽減要件を満たすものとし、抵当権設定や都市計画税は考慮しない。床面積は、不動産取得税では共用部分の按分を含めて判定し、登録免許税の床面積判定とは異なる(本例はいずれも要件を満たすものとする)。固定資産税の年額は、住宅用地特例以外の負担調整措置・自治体独自の軽減などを考慮しない試算

(2) 取得時の税金

税目 家事用(個人の自宅) 貸付用(個人)・法人
不動産取得税(建物) 0円(1,000万円−1,200万円の控除) 30万円(1,000万円×3%)
不動産取得税(土地) 0円(住宅用土地の減額が税額を上回る) 22万5,000円(1,500万円×1/2×3%)
登録免許税(土地) 22万5,000円(1,500万円×1.5%) 22万5,000円(同左)
登録免許税(建物) 3万円(1,000万円×0.3%) 20万円(1,000万円×2.0%)
合計 25万5,000円 95万円

土地の減額額は、土地1㎡当たり37万5,000円(750万円÷20㎡)×140㎡(70㎡×2)×3%=157万5,000円となり、税額22万5,000円を上回るため税額は0円です。

(3) 保有時の固定資産税(年額)

土地250万円(1,500万円×1/6)×1.4%=3万5,000円、建物1,000万円×1.4%=14万円で、合計17万5,000円です。固定資産税は家事用・貸付用・法人で同額です。

(4) 所得税・法人税上の取扱い

区分 取得時の税金 毎年の固定資産税
家事用 25万5,000円は将来の譲渡時の取得費 経費にならない
貸付用(個人) 95万円は不動産所得の必要経費(登録免許税は登記の際に納付した年、不動産取得税は原則として賦課決定のあった年) 17万5,000円が必要経費
法人 95万円は損金算入(取得価額に含めることも可。計上時期は5章(2)の【注意】参照) 17万5,000円が損金

【注意】上記は説明用の簡略化した試算です。実際の税額は、物件の評価額、新築時期、都道府県・市町村の運用により異なります。不動産取得税は納税通知が届いてから納付するため、必要経費・損金になる年(事業年度)が、取得した年(事業年度)と異なることがあります。

7. 実務上の注意点・根拠法令一覧

(1) 実務上の注意点

  1. 用途は取得時に判定される:中古住宅の不動産取得税や住宅用家屋の登録免許税の軽減は、自己の居住用であることが要件です。最初から貸す予定の物件には適用されません。
  2. 登記前に証明書を準備する:住宅用家屋証明書は登記申請時に添付が必要で、後からの提出では軽減されません。
  3. 不動産取得税の軽減は申告を確認する:都道府県によっては、軽減の適用に申告が必要です。納税通知書が届いたら、軽減が反映されているか確認しましょう。
  4. 貸付用は経費計上漏れに注意する:不動産取得税は、取得後に納税通知書が届き、原則として賦課決定のあった年の必要経費になります。取得の翌年になることも多いため、計上漏れに注意しましょう。
  5. 自宅を貸し出した場合:貸し出した後の固定資産税は必要経費になります。取得時の不動産取得税・登録免許税は、家事用として取得費に含まれたままです。
  6. 法人での取得は取得時の税金が増えやすい:中古住宅の場合、法人は個人の自宅より取得時の税金が大きくなります。法人化や社宅の取得を検討するときは、取得時の税金も含めて試算しましょう。

【注意】個人から自分の同族法人へ貸家を移す場合も、法人側で不動産取得税と登録免許税(建物2.0%)がかかります。法人化の際は、譲渡所得税も含めた総合的な試算が必要です。

(2) 根拠法令一覧

区分 根拠 内容
地方税法 73条の2、73条の13、73条の15、73条の15の2 不動産取得税の課税客体、課税標準、税率、免税点
地方税法 73条の14、73条の24 住宅の控除、住宅用土地の減額
地方税法施行令 37条の16、37条の18 新築住宅・既存住宅の床面積要件
地方税法附則 11条の2、11条の5 不動産取得税の税率の特例、宅地評価土地の特例
登録免許税法 9条、10条、別表第一 登録免許税の課税標準・税率
租税特別措置法 72条、72条の2、73条、75条 土地売買・住宅用家屋・抵当権設定の軽減
地方税法 349条の3の2、350条、351条、702条の3、702条の4 固定資産税・都市計画税の住宅用地特例、税率、免税点
地方税法附則 15条の6 新築住宅の固定資産税の減額
所得税法 37条、38条、49条 必要経費、譲渡所得の取得費、減価償却
所得税基本通達 37-5、37-6、38-9、49-3 租税公課の必要経費算入、取得費に含まれる登録免許税等
法人税法・同施行令 法人税法22条、法人税法施行令54条 損金算入、減価償却資産の取得価額
法人税基本通達 7-3-3の2、9-5-1 取得価額に算入しないことができる費用、租税公課の損金算入時期

8. まとめ

  • 土地および住宅の不動産取得税率は、令和9年3月31日までの取得について3%です(住宅以外の家屋は4%)。宅地評価土地には、課税標準を2分の1とする特例があります。これらは家事用・貸付用・法人を問わず共通です(地方税法73条の15、附則11条の2、11条の5)。
  • 新築住宅の控除(1,200万円)は貸付用や法人取得でも適用がありますが、中古住宅の控除や中古住宅用の土地の減額は、個人が自己の居住用として取得した場合に限られます(地方税法73条の14①③、73条の24)。
  • 登録免許税の土地の売買による所有権移転登記の軽減税率(1.5%)は誰でも適用されますが、住宅用家屋の軽減税率(保存0.15%・移転0.3%・抵当権0.1%)は、個人が自己の居住用として使用する場合に限られます(租税特別措置法72条、72条の2、73条、75条)。
  • 住宅用地の課税標準の特例(固定資産税1/6・1/3、都市計画税1/3・2/3)は、固定資産税・都市計画税に適用され、自己の居住用に限らず、賃貸住宅や法人所有の住宅の敷地にも適用されます(地方税法349条の3の2、702条の3)。
  • 新築住宅の税額を2分の1にする減額は、固定資産税が対象です(都市計画税は対象外)。令和8年4月1日以後の新築は原則として床面積40㎡以上240㎡以下が要件で、賃貸住宅や法人所有の住宅にも適用されます(地方税法附則15条の6)。
  • 個人の場合、家事用の不動産に係る不動産取得税・登録免許税は取得費(譲渡所得の計算)に、貸付用の不動産に係る税金は不動産所得の必要経費になります。固定資産税も、家事用は経費になりませんが、貸付用は必要経費になります(所得税法37条、38条)。
  • 法人の場合、不動産取得税・登録免許税は取得価額に含めずに損金算入することができ、固定資産税も損金算入できますが、個人の自己居住用に比べて取得時の税負担が重くなる点に注意が必要です(法人税基本通達7-3-3の2、9-5-1)。

当事務所では、不動産の取得・保有に係る税金の試算や、個人で取得するか法人で取得するかの検討、不動産所得の確定申告・法人の決算申告についてもご相談を承っております。お気軽にご相談ください。

※本記事は、令和8年10月現在の法令等に基づいて作成しています。個別の事案の取扱いについては、当事務所にご相談ください。

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